2013年 06月 11日
視点と視対象
|
6月1日の「景観の日」に宮崎市で開催した「宮崎景観まちづくり教室」にはたくさんの方にお越しいただき、本当にありがとうございました。
今日は、残念ながらセミナーに参加できなかったという方に、実際にセミナーで使用した写真を交え、景観まちづくりを考えるうえで、私が最も重要なポイントであると考える「視点と視対象の関係」について、ご説明したいと思います。
私がずいぶん前に撮影したこちらの写真は、皆さんよくご存じの清水寺(国宝)です。
当然のことながら、この時私がいたのは、清水寺の本堂でも舞台でもありません。
こうして、視点場(ここでは私が立っていた場所)があり、視対象(ここでは清水寺の本堂や舞台)の間に遮るものが無かったからこそ、私は先ほどご紹介したような景観を楽しむことが出来たのです。
それでは、もう一つの事例をご紹介します。こちらは長崎在住の友人が撮影してくださった長崎自動車道にある大村湾パーキングエリアの写真です。
ちょっとわかりづらいかもしれませんが、ベンチに座った人が海を眺めています。
ここで、注目していただきたいのが、転落防止用の塀の位置です。
写真右端にあるベンチが設置されている場所に比べ、ずいぶん低い位置に設置されていることがおわかりいただけると思います。
こうすることで、ベンチに座った状態でも、転落防止用の塀に遮られることなく美しい海を眺めることが出来るのです。
宮崎でも風景を見やすくする取り組みは進んでいますよ。
こちらは宮崎を代表する景勝地である堀切峠で5年ほど前に撮影した写真です。(かなり画質が悪いですが、ご容赦ください。)
海側に無数の標識が立っているのがご覧いただけるかと思います。
こちらが3年ほど前に撮影した堀切峠の写真です。
歩道を整備する際に道路標識が取り払われ、美しい風景が標識に遮られることなく見られるようになりました。
写真を見ていったい何処に歩道があるの?とお思いになった方も多いことでしょう。
実は、この道路では、車道を走る車の中からでも、きれいな海が見やすくなるよう、歩道を車道より一段低い位置に整備するといった工夫も行われたんですよ。
景観には、先ほどご紹介した清水寺や大村湾パーキングの写真のように固定した視点から見る「シーン景観」と、移動中の車から見る景観のように、視点が移動して次々に移り変わる「シークエンス景観」があります。
いずれの場合でも、視点と視対象の間に出来るだけ遮るものを設けないことが重要なのです。
あなたの町は、地域の見どころ、訪れた人に是非とも見てもらいたいもの(見せどころ)が見えにくくなっていませんか?
景観づくりといえば、何かを作らなければならないようにお考えの方も多いのですが、実は、視点と視対象の間を遮るものを取り除く「引き算の景観づくり」が、きわめて重要なポイントなのです。
さあ、皆さんも地域の見どころ、見せどころを見えにくくしているものを取り除き、地域の景観の価値を高めていきましょう!
今ある景観の価値を損なうことなく未来の人達に引き継いでいくことは、現代に生きる私達の責務なのですから。
☆☆ ブログ人気ランキング参加中 ☆☆
↓↓ 応援していただける方はクリックしてください。
にほんブログ村「宮崎県情報 人気ブログ」をご覧いただけます。
☆☆ ツイッターやってます ☆☆
↓↓ アカウント名は「keikansan」です。気軽にフォローミー!
今日は、残念ながらセミナーに参加できなかったという方に、実際にセミナーで使用した写真を交え、景観まちづくりを考えるうえで、私が最も重要なポイントであると考える「視点と視対象の関係」について、ご説明したいと思います。
私がずいぶん前に撮影したこちらの写真は、皆さんよくご存じの清水寺(国宝)です。
当然のことながら、この時私がいたのは、清水寺の本堂でも舞台でもありません。
こうして、視点場(ここでは私が立っていた場所)があり、視対象(ここでは清水寺の本堂や舞台)の間に遮るものが無かったからこそ、私は先ほどご紹介したような景観を楽しむことが出来たのです。
それでは、もう一つの事例をご紹介します。こちらは長崎在住の友人が撮影してくださった長崎自動車道にある大村湾パーキングエリアの写真です。
ちょっとわかりづらいかもしれませんが、ベンチに座った人が海を眺めています。
ここで、注目していただきたいのが、転落防止用の塀の位置です。
写真右端にあるベンチが設置されている場所に比べ、ずいぶん低い位置に設置されていることがおわかりいただけると思います。
こうすることで、ベンチに座った状態でも、転落防止用の塀に遮られることなく美しい海を眺めることが出来るのです。
宮崎でも風景を見やすくする取り組みは進んでいますよ。
こちらは宮崎を代表する景勝地である堀切峠で5年ほど前に撮影した写真です。(かなり画質が悪いですが、ご容赦ください。)
海側に無数の標識が立っているのがご覧いただけるかと思います。
こちらが3年ほど前に撮影した堀切峠の写真です。
歩道を整備する際に道路標識が取り払われ、美しい風景が標識に遮られることなく見られるようになりました。
写真を見ていったい何処に歩道があるの?とお思いになった方も多いことでしょう。
実は、この道路では、車道を走る車の中からでも、きれいな海が見やすくなるよう、歩道を車道より一段低い位置に整備するといった工夫も行われたんですよ。
景観には、先ほどご紹介した清水寺や大村湾パーキングの写真のように固定した視点から見る「シーン景観」と、移動中の車から見る景観のように、視点が移動して次々に移り変わる「シークエンス景観」があります。
いずれの場合でも、視点と視対象の間に出来るだけ遮るものを設けないことが重要なのです。
あなたの町は、地域の見どころ、訪れた人に是非とも見てもらいたいもの(見せどころ)が見えにくくなっていませんか?
景観づくりといえば、何かを作らなければならないようにお考えの方も多いのですが、実は、視点と視対象の間を遮るものを取り除く「引き算の景観づくり」が、きわめて重要なポイントなのです。
さあ、皆さんも地域の見どころ、見せどころを見えにくくしているものを取り除き、地域の景観の価値を高めていきましょう!
今ある景観の価値を損なうことなく未来の人達に引き継いでいくことは、現代に生きる私達の責務なのですから。
☆☆ ブログ人気ランキング参加中 ☆☆
↓↓ 応援していただける方はクリックしてください。
にほんブログ村「宮崎県情報 人気ブログ」をご覧いただけます。
☆☆ ツイッターやってます ☆☆
↓↓ アカウント名は「keikansan」です。気軽にフォローミー!
by keikansan
| 2013-06-11 20:50
| 景観まちづくり